今回は現役5年目(2021年時点)の登録販売者である僕が、実施に実務に従事して思う登録販売者という資格を取るメリット・デメリットについて記事を書いていきます。
実際に登録販売者として働いている方、これから登録販売者の資格を取ろうと思っている方は是非参考にしていただけると幸いです。
登録販売者とはどんな資格なのか
登録販売者とは
登録販売者とは簡単に言うと一般用医薬品のうち第二類、第三類に分類される医薬品を販売することができる資格です。
以前は薬剤師の資格を持つ人だけが医薬品販売に従事できましたが、慢性的な薬剤師不足により、薬学部を卒業していない人でも薬剤師に準ずる仕事ができるように設定された資格が登録販売者です。
現在は薬局だけでなく、ドラッグストア・コンビニ・スーパーマーケット・家電量販店などでも医薬品販売が行われていますので、登録販売者の資格を持っていると様々な場所で活躍できます。
登録販売者はどんな人がなれるのか
先ほども書いたように登録販売者は薬学部を卒業していない人でも薬剤師に準ずる仕事ができるように設定された資格です。
なので、登録販売者試験は誰でも受験することができます。
薬剤師になるには6年間薬学部で勉強して、国家試験を合格しなくてはなりません。
そのため、早い段階から薬剤師になることを決め、長い期間勉強しなくてはならないので非常にハードルが高いものです。
そのため、薬剤師不足が懸念され登録販売者が設定されました。
一般の人でも年齢制限なく登録販売者試験に合格すれば登録販売者として働くことができます。
ただし、後程書きますが、いわゆる一人前の登録販売者になるには実習期間を終えなくてはなりません。
登録販売者の需要はどのくらいか
登録販売者の需要はまだまだたくさんあると思います。
先ほども書いたように現在ではコンビニやスーパーなどでも医薬品が売られています。
また、薬剤師不足であったり、薬剤師は人件費が高くなるため大人数の薬剤師を雇うところも少ないです。
それを補うために登録販売者の需要はまだまだあるように思えます。
また、大手資格勉強支援会社のユーキャンでも、登録販売者の需要について以下のように書かれています。
世の中の健康への考え方の変化や法制度の整備により、今後ますます登録販売者が持つ医薬品の知識は、重要視されるでしょう。
登録販売者に必要なものは、何よりも医薬品に関する知識です。現在の日本ではセルフメディケーション(自分で怪我や病気の判断をし、自ら医薬品を使用して治療に努めること)を推進する動きがあり、自分の健康は自分で責任を持つことが求められはじめています。
従来は第一類に属していた一部の医薬品が第二類に分類され、最近では薬剤師しか扱えなかった医薬品が登録販売者でも扱えるようになってきました。そのため、これまで以上にしっかりとした医薬品のリスク管理が求められています。
一般の方が医薬品の誤った使用や摂取によって健康被害を起こさないよう、登録販売者がしっかりと説明する必要があるのです。登録販売者が持つ医薬品の知識は、今後ますます重要視されるでしょう。
軽度な体の不調は自分で治すことが推奨されている現在、登録販売者には一般の方に正しい医薬品の情報を届けることが求められています。登録販売者は医薬品のプロフェッショナルとして、医薬品を必要とする方の健康を守る魅力ある仕事です。
ユーキャンHPより引用 https://www.u-can.co.jp/course/data/in_html/1258/column/column01.html
正しい知識を身につけることでお客さんから感謝される。そんな資格です。
登録販売者を取ってよかったこと(メリット)
ここからは、現役5年目(2021年時点)の登録販売者である僕が感じた登録販売者をとってよかったと思うことをいくつか書いていきます。
お客さんから圧倒的に感謝される
登録販売者は薬剤師に準ずる一般用医薬品のプロです。
医薬品に関する知識は一般の人にはなかなか理解できるものではありません。
そこで、しっかりと勉強と経験を積み、お客さんの症状緩和のために適切な医薬品を勧めたり、
あるいは聞き取りの結果一般医薬品で対処するのではなく病院できちんとした治療を受けることを勧めたり、リスク管理を行うことでお客さんから圧倒的に感謝されます。
もちろんそのためには先ほども書いたように、日々勉強をしてたくさんの経験を積む必要があります。
苦い思いをすることもありますが、お客さんから「ありがとう」と言われたときは、これ以上ない幸せと達成感があります。
収入が上がる
登録販売者を取ることによって収入が上がります。
これは登録販売者を取ることによって「資格手当」がもらえるからです。
会社によっては手当ではなくて、給料形態が登録販売者になったことで変わり給料そのものがアップしてもらえるかもしれません。
登録販売者の研修期間中は手当が少ないかもしれませんが、研修期間が終わると手当がアップするかもしれません。(僕はこのパターンでした)
頑張って勉強して資格を取ったのですから、これくらいの美味しみはあって当然です。
怪しい健康法やサプリメントの情報に惑わされなくなる
みなさん一度は経験があるのではないでしょうか?
「○○だけすれば簡単に痩せます」
「○○を食べるだけで楽々ダイエット」
「朝○○をするだけで長生きできる」
本当に効果ありました?きっとうまくいかなかったと思います。
悲しいことですが世の中には誇大広告というものが数多く存在します。
しかし、登録販売者試験を勉強することによってこんな情報にも「それ本当なの?」という目で吟味できるようになります。
登録販売者試験では医薬品のことはもちろん、体の仕組みや医薬品・サプリメントの広告に関する法律についても学びます。
これらの学習を通じて正しい知識が身につくので、怪しい情報に惑わされなくなります。
登録販売者を取ることのデメリット
登録販売者を取ることのメリットについてここまで書いてきましたが、ここからはデメリットというかいくつか面倒だなと思うことがあるので書いていきます。
資格取得までに時間がかかる
登録販売者の資格を取るには当然登録販売者試験に合格しなくてはなりません。
登録販売者試験は誰でも受けられるとはいえ、薬剤師に準ずる資格の試験ですからそれなりに勉強する必要があります。
今まで全く薬学について勉強したことが無い人にとっては、なかなかハードな道のりです。
それにもめげずにコツコツと勉強し続けなくてはなりません。
そういった労力が結構かかります。
研修期間が結構長い
登録販売者の中に「店舗管理要件」というものがあります。
医薬品を販売する店舗には必ず一人以上の「店舗管理要件」を満たした登録販売者がいなくてはなりません。
店舗管理要件については以下のチアジョブ登販の記事が分かりやすいので引用します
薬局やドラッグストアなどで設置が義務付けられている「店舗管理者」
薬局やドラッグストアなど、一般用医薬品を販売している店舗では、必ず「店舗管理者」を一人設置しなければなりません。
店舗管理者の具体的な業務内容は以下の3つです。
・勤務する薬剤師、登録販売者など他すべての従業員の監督
・店舗の構造設備、医薬品などの物品管理、業務に必要とされるものに対する注意喚起
・保健衛生上の支障を防ぐために、店舗販売業者に対して必要な意見を述べること「管理者要件」を満たす登録販売者のみが店舗管理者になることができる
店舗管理者になれるのは、薬剤師または管理者要件を満たす登録販売者のみです。ただし登録販売者の場合は、店舗で販売する一般用医薬品の種類によって要件が異なります。
・第2類医薬品、第3類医薬品を販売する店舗の場合
一般用医薬品のうち、第2類・第3類医薬品のみを販売する店舗で登録販売者が店舗管理者になれるのは、「過去5年のうち、月あたりの時間数に関わらず月単位で従事した期間が通算して2年以上あり、かつ、過去5年において、合計1,920時間以上従事した場合」とされました。・第一類医薬品を販売する店舗等の場合
チアジョブ登販HPより引用 https://www.cheer-job.com/useful/column/information/information_3-4-2
第2類・第3類医薬品だけではなく、第1類医薬品を販売する店舗などでは、基本的に薬剤師が店舗管理者になります。しかし、それができない場合には、「過去5年のうち、月当たりの時間数にかかわらず月単位で従事した期間が通算して3年以上あり、かつ、過去5年間において、合計2,880時間以上業務に従事した」登録販売者が、店舗管理者になることができるとされました。
なお、登録販売者が店舗管理者となる場合であっても、管理者を補佐する薬剤師を置かなければなりません。
この店舗管理要件を満たすまでが登録販売者の研修期間とされています。
この店舗管理要件を満たすための条件が
直近の過去5年以内に2年以上の経験があり、累計1920時間以上勤務していること
という条件です。
だいたい月80時間くらいのペースで勤務を2年間ほど続けなくてはなりません。
ちなみに上記の基準は最近新しくなったもので、以前は以下のようなものでした
直近の過去5年以内に、24ヶ月以上の実務経験を積んでいること。
※月に80時間以上勤務している場合にのみ実務経験として認められる。
以前よりは基準は緩くなりました。
こちらもチアジョブ登販の記事が分かりやすいので引用します。
どんな人が管理者になれるのか
今回の法改定により、管理者要件を満たす人が増えたことが予想されます。では実際に、どのような人が管理者になれるようになったのでしょうか。
[例1] 毎月32時間の実務経験を5年間積み続けてきていた方
旧基準では、月に80時間の勤務をしていなければ実務経験に加算できませんでした。ですが、新基準で計算すると、32時間×12ヶ月×5年で、1920時間となります。実務経験の時間数の基準に到達しており、また2年以上の経験もあるため、管理者要件を満たすことになります。
[例2] 本社での事務作業と店舗での実務があって、店舗だけの実務では月の労働時間が80時間に満たないこともある方
旧基準ではどんなベテラン登録販売者でも月に80時間以上実務に携わらなければ、実務経験に加算できませんでした。しかし、今回の改正によって、店舗での勤務を時間単位で加算できるようになりました。そのため、例えば繁忙期には160時間の店舗勤務があっても閑散期は月に10時間程度などの場合でも、実務経験を着実に積むことが可能です。
この方の場合は、毎月の実務時間数を勤務先の企業に出してもらって、累計時間数が1920時間を超えるかどうか確認する必要があります。
どんな人は管理者になれないのか
今回の改訂で気をつけなければいけないのが「2年以上の経験」は旧基準と変わらず必要であるという点です。特に気をつけてほしいのは下記の「例」に当てはまる方です。
[例] 累計1920時間を超える勤務をしているが、経験年数が2年に満たない方
例えば毎月180時間程度の店舗勤務を1年間した場合、累計の実務時間数は180時間×12ヶ月で2160時間ですから基準の1920時間を超えています。しかし、経験年数が2年に満たないため管理者要件は満たしていません。
チアジョブ登販HPより引用 https://www.cheer-job.com/useful/column/information/information_3-4-2
簡単に言うと店舗管理要件を満たした登録販売者あるいは薬剤師の元で2年間は働かないといけないという事です。
転職などでもこの店舗管理要件を満たしていることが応募条件にあったりします。
これがなかなかハードルが高いです。
まとめ
現役登録販売者の僕が感じた登録販売者を取ることのメリットデメリットについて書いてきましたがいかがでしょうか。
登録販売者を取るにはなかなかハードな道のりが待っていますが、取れば大きな恩恵を受けることもできますので、ぜひチャレンジしてみたい方はチャレンジしてみてください。
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