登録販売者が薬学検定を勉強するメリット・デメリット

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実務関係
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たけのこ

ドラッグストア勤務5年の現役の登録販売者。
独学で登録販売者の勉強をして112点を取りました。
登録販売者以外に「薬学検定1級」「サプリメントマイスター」の資格を所有してます。

実務で経験したことを基に新人時代にやるべき勉強法や売り場に立っても困らない登録販売者試験の勉強法、さらには追加で勉強すべき専門分野や専門書、サプリメントのことも出来るだけわかりやすく発信します。

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今回は登録販売者の関連資格である

「薬学検定」

について記事を共有していきます。

薬学検定とはどんな資格なのか?

登録販売者が薬学検定を勉強するメリットデメリットは?

そんな点について書いていきます。

薬学検定についての基礎知識

薬学検定とはそもそも何か?

薬学検定とは何なのか?

薬学検定は

特定非営利活動法人 日本セルフケア支援薬剤師センター(薬学検定事務局)

が主催する薬学に関する民間試験です

ちなみに薬学検定には「薬学検定」「美容薬学検定」「食の薬学検定」の3つがありますが、

今回は「薬学検定」について話をしていきます。

薬学検定公式HPには趣旨について以下のように記されています。

薬学検定試験は、薬学を中心とした知識レベルを、一定の基準で以って、客観的に評価する試験です。

受験資格(受験制限)は無く、どなたでも受験することができます。

※ なお、合格者に国家資格を与える試験ではありません。

薬学検定公式HPより引用 http://www.yakugaku.or.jp/yakken/concept.html

受験資格に学歴などの縛りはなく、薬学部を卒業しなくても受験することができます。

薬学検定の趣旨

薬学検定の趣旨、目的については公式ホームページにこのように記載されています。

「薬学検定試験」の最大の目的は、国民の「セルフケア」、「セルフメディケーション」を支援することにあります。

「薬学検定試験」は合格者に対して何らかの資格を与える試験ではなく、医療従事者から薬学の正しい知識を提供する1つの手段であり、薬学の知識レベルを一定の基準で以って、客観的に評価する日本で唯一の試験です。

主催団体は、内閣府より認証を受けた NPO法人(日本セルフケア支援薬剤師センター)です。

ご承知の通り、「コンビニで医薬品を扱って欲しい」という消費者の声が強まっている中、政府の医薬品販売の規制緩和に伴い、これまで薬局で売られていた薬が、薬剤師のいないコンビニ等の一般小売店で販売され始めています。

深夜や早朝の急な発熱や腹痛、下痢などの症状に対して応急措置が求められる緊急時に、身近で24時間営業、しかも年中無休のコンビニがこうした要求に応えて頂けることは医療の一環としてやはり必要であり、使用したい時に直ぐに買いに行ける環境は消費者が切望するところです。

こういった状況の中、コンビニで販売されている(あるいはこれから販売されようとする)薬の中から、消費者自らが、自分や家族の人の急性症状に合った薬を”自分の力”で選び出すといった「セルフケア」「セルフメディケーション」を必然的に体験するケースが多くなってきています。とは言うものの、薬の間違った取扱いは薬害や健康被害を広げるおそれがあり、「どれを選べばいいの?」「副作用は?」といった疑問が起こることは、ごく自然なことであり、この部分を改善していかないと「セルフケア」、「セルフメディケーション」は正しく進んで行かないと思います。「セルフケア」「セルフメディケーション」の主体は国民の方々ですが、「セルフケア」「セルフメディケーション」が国民によって正しく遂行され、効果的に進んでいくような環境作りがこれから重要になってきます。

医薬品販売の規制緩和の流れは、これからも激化すると予想され、薬剤師とのコミュニケーションを通さない販売が今後ますます増え、消費者の自己責任が大きくなっていくと考えます。また、高齢化や生活の多様化、高騰した医療費負担の軽減から見ても、「セルフケア」「セルフメディケーション」について、これまで以上に薬の正しい知識を消費者にわかりやすく伝えることが急務になっています。

「薬学検定試験」は、国民の「セルフケア」、「セルフメディケーション」を、薬剤師・医師・看護師・管理栄養士など医療従事者からサポートすることを目的としています。上述したように、これまで薬局で売られていた医薬品が薬局の外に出て、薬剤師の居ないコンビニで販売されるような状況になっても、薬のスペシャリストである薬剤師などが、広く国民の方々に対して実効性のある医薬品の情報を惜しみなく提供するなど、薬の取り扱いに様々な形で関与していく必要性があり、これからの薬剤師の役割でもあると思います。

これまでも、「セルフケア」、「セルフメディケーション」をサポートする団体が幾つか立ち上げられています。講師を招いてセミナーを開催したり、薬のことを図を使って分かり易く説明した書籍やテキストを出版するなど、あの手・この手を尽くして、広く国民の方々に薬の正しい知識を提供する必要があります。

その「あの手・この手」の一つの手段として、今までになかった「薬学検定試験」が機能すれば良いと思います。

「薬学検定試験に合格」といった具体的な目標をもって薬のことを学習することにより、国民の方々は楽しみながら、また効率よく正しい薬学知識を習得することができます。今まで誤解していた薬の知識を改める機会にもなります。これにより、「セルフケア」、「セルフメディケーション」が正しく遂行され、薬によって健康をいち早く取り戻すことができ、また薬による健康被害(薬害)をも防止することができ、ひいては高騰した医療費が抑制されると信じています。

薬学検定公式HPより引用 http://www.yakugaku.or.jp/yakken/concept.html

薬学検定の難易度

薬学検定の難易度はどうなっているのでしょうか?

薬学検定には4級から1級までの階級が用意されています。

具体的な出題分野は以下の公式ホームページで確認してください。

各級レベル別 出題分野 薬学検定試験
薬の飲み合わせなど薬の正しい知識をしっかりと身につけましょう。薬学検定試験(薬検)は登録販売者試験の模擬テストにも最適です。

4級と3級は市販薬までを扱って、2級と1級は医療用医薬品まで扱います。

登録販売者試験でいうと3級までが出題範囲が同じぐらいです。

以下に公式ホームページに記載されている各級の目安について引用します。

■4級(50問/90分)
日常の生活で繁用されている一般用医薬品(大衆薬)・医薬部外品・サプリメント・特定保健用食品の薬効成分の作用・効果(効能)・副作用・使用上の注意に関する問題、及び医療用語に関する問題が出題され、初歩的でありながら基本的なレベルの薬学知識が問われます。

■3級(60問/90分)
<4級>の出題分野に生活習慣病などの疾患に関する問題が加わり、標準的なレベルの薬学知識が問われます。

■2級(80問/120分)
<3級>の出題分野に、実際の医療現場で使用される医薬品(新薬を含む)に関する問題や専門的な医療用語の問題が加わり、高度な薬学知識が問われます。

※但し、過度に難解な問題は出題されません

■1級(100問/120分)
<2級>の出題分野に、医薬品同士の相互作用あるいは食品と医薬品の飲み合わせ(相互作用)に関する問題、及び血液・尿検査(臨床検査)値に関する問題が加わり、薬学全般に関する体系化された知識が問われます。

※但し、過度に難解な問題は出題されません

薬学検定公式HPより引用 http://www.yakugaku.or.jp/yakken/concept.html

登録販売者であればまずは3級までの合格を目指すのがいいかなと思います。

メリット・デメリットについては後程

登録販売者が薬学検定を勉強するメリット

ここからは実際に僕が薬学検定を1級まで取得してみて感じたことを書いていきます。

まずは登録販売者が薬学検定を勉強するメリットについて

登録販売者試験では学ばない視点で勉強できる

薬学検定の3級までは登録販売者試験と出題範囲が似通っています。

しかし、登録販売者試験では学ばないことも薬学検定では学びます。

例えば

  • サプリメントの効能効果
  • 薬学の略語(PTP、BBBなど)を学ぶことができる
  • 「目薬が黄色くなるのはビタミンB2が配合されているから」などの細かな知識

このようなことは登録販売者試験では学習しません

薬学検定を学ぶことで、登録販売者試験といい感じで知識を補うことができます。

例えば専門書で薬を学ぼうと思ったときに、登録販売者試験の

知識だけでは理解できない部分も薬学検定の知識が役に立つことも多々あります

医療用医薬品についても学ぶとこができる

これは2級以上を勉強した際の話になりますが、

登録販売者試験では絶対に勉強しない抗がん剤や高脂血症治療薬についても勉強することができます。

もちろん売り場で医療用医薬品を扱うことはありませんが、知識として持っておくことはメリットがあります。

  • 治療薬で対応できるか受診勧告かの線引きがはっきりわかる
  • 病気そのものがどのようなものかを理解できる
  • どういう症状に対してどのような薬を使うのかがわかる

直接的に扱うことは無くても

「このような症状にはこういう理由でこの成分を使う」

といった話は市販薬を売るときにも助けになります。

また、一番は治療薬で対応できるのか受診勧告かの線引きが

はっきりとわかるという事でしょう。

「この病気にはこのような治療を行う」という事が理解できれば、

お客さんに対してもしっかりとした理由をもって受診勧告ができます。

薬の相互作用を学ぶことができる

これも2級以上を勉強すると得られる恩恵なのですが、「薬の相互作用」を
学ぶとこができるという事です。

登録販売者試験が売り場にいて困るのが「薬の飲み合わせ」です。

薬剤師さんにすべてお任せするのであれば、それでもいいのかもしれませんが、

やはり知識として持っておくことは大切です。

相互作用といっても、登録販売者が扱わない医療用医薬品同士の相互作用ではなく、

市販薬と医療用医薬品、医薬品とサプリメント、医薬品と食品

といった、売り場でよく聞かれるような相互作用について学びます。

例えば便秘薬と牛乳は一緒に飲まなほうがいい(胃の中で便秘薬が溶け出してしまうから)

などといった知識は売り場でよく使う知識です。

僕はこれを学ぶために1級まで取ったといっても過言ではありません。

上司の評価が上がる

これはおまけ的な要素かもしれませんが、

薬学検定を取ることでアピールになります。

特にドラッグストアなどで働いている人にとっては、昇給や手当がもらえるチャンスとなるかもしれません。

また、転職の際にも登録販売者の資格と合わせて薬学検定も

持っていれば大きなアピールになるでしょう。

登録販売者が薬学検定を勉強するデメリット

ここからは登録販売者が薬学検定を勉強するデメリットについて書いていきます。

正直、3級までであればデメリットは無いと思います。

しかし、2級以上となるといくつかデメリットもあるので書いていきます。

勉強はほとんど暗記ゲー

2級以上を勉強するときには、薬学生でない限り、教本が公式テキストしかありません。

この公式テキストですが、医療用医薬品の部分はほとんど説明がなく

まるで英単語帳のようにひたすら成分名と効果が並んでる状態です。

しかも、それぞれの使い分けなども書いていないので、かなりの暗記力勝負になっていきます。

僕の場合は、古本屋で薬理学や生理学や病理学の本を買って勉強しました。

以下に少ない労力で覚えていくかが勝負になってきます。

薬学検定公式テキスト以外に教本がない

先ほども書いたように薬学生でない限り、教本は公式テキスト以外にないのが現状です。

なので「今日の治療薬」であったり、薬理学、病理学、生理学といった本を追加で購入して

勉強していくことにもなります。

薬学検定で出題されることはほぼ決まっているので、

それを狙ってうまく勉強していくことが必要です。

過去問の解説がほとんどない

教本を読みつつ過去問をといていくのが勉強パターンですが、

この過去問の解説もなかなか不親切でほとんど解説がありません。

なのでなぜ間違えたのか、なぜその選択肢は誤りなのか

自分で調べなくてはなりません・・・

まあ、その調べる作業が勉強になったりもしますが、なかなか骨の折れる作業です。

まとめ

登録販売者が薬学検定を勉強するメリット・デメリットについてまとめてきましたが

いかがだったでしょうか?

薬学検定3級までならばほとんどデメリットもないので、登録販売者でも

勉強する価値は十分にあります。

2級以上になるとデメリットも出てきますので、

自分の今の状況に応じて必要であれば受験してもいいともいます。

また、受験はしなくても相互作用などは勉強だけするのもアリだと思います。

ワンランク上の登録販売者になるために一つ参考にしてみてください。