今回は僕が登録販売者新人時代に苦労したことである「売り場の医薬品を把握する」、これに対して「こんな事を把握しておくといいよ」というポイントを記事にしていきます。
売り場にいて全然商品が把握できないという方はぜひ参考にしてください。
登録販売者新人時代に苦労したこと
僕が登録販売者新人時代に苦労したことはいくつかあるのですが、その中の1つが
「どの商品に何の成分が入っているか分からない」
ということでした。
登録販売者試験では、「こういう症状にはこの成分」というように勉強していきます。
しかし、「この商品にはこの成分が配合されている」ということは勉強しないので、実際に売り場に立つようになってから自分で勉強しなければなりません。
売り場には物凄い種類の商品がありますからそれを片っ端から覚えていくのはなかなか大変です。
そこで、今回の記事ではこんな風に整理して商品を把握していくといいよという僕なりのポイントを解説していきます。
目薬のポイント
「乾き目用」「疲れ目用」などの大きな分類分けをする
目薬は本当に種類が多くて、似たような商品がたくさん並んでいて、新人時代に僕はかなり苦戦したジャンルでした。
その中でまず意識したのは「ここは乾き目用ゾーン」「ここは疲れ目用ゾーン」「ここは抗菌薬ゾーン」といった感じで売り場をゾーン分けするということでした。
これを意識するだけで探さなくてはいけない範囲が狭まります。
売り場全体から探し出すよりも範囲が限定されていた方が効率も良くなります。
血管収縮剤が入って無いものを把握する
登録販売者試験でも勉強しますが、緑内障がある人には血管収縮剤は慎重にならなければなりません。
また、緑内障が無い人でも日常的に血管収縮剤を使ってしまうと逆に充血が取れなくなってしまったりします。
疲れ目に効く目薬をくださいという相談は本当によくされるもので、若い人からお年寄りまで様々な人が疲れ目に効く目薬を買いに来ます。
そこで、血管収縮剤が入っていない目薬を把握しておくと接客の幅が広がります。
解熱鎮痛剤のポイント
単剤がどれか把握する
解熱鎮痛剤はカフェインや鎮静剤が一緒に配合されていることが多いです。
しかし、飲み合わせのことを考えたり、「眠くなりにくいものがいい」と言われたときに単剤を覚えておくことで接客の幅が広がります。
アセトアミノフェンならば「タイレノール」、イブプロフェンならば「リングルアイビー」等です。
このご時世でコロナワクチンの副作用対策に解熱剤を買いに来る人も多いですので、できるだけ余計なものが入っていない単剤を進めることも多いですので、必ず把握しておきましょう。
15歳未満でも服用出来る物を把握する
イブプロフェンやアスピリンが配合されている解熱鎮痛剤は15歳未満の人は服用出来ません。
また、タイレノール等はアセトアミノフェン単剤ではありますが、一錠あたりの配合量が多いため15歳未満の人は服用出来ません。
このように解熱鎮痛剤においては15歳以上でないと飲めない物が多いため、逆に15歳未満でも飲める解熱鎮痛剤を把握しておく必要があります。
風邪薬のポイント
対象年齢を把握する
解熱鎮痛剤と同様に風邪薬にもイブプロフェンなどが配合されていることが多いです。
そのため15歳以上でないと飲めない薬など年齢制限がある物が沢山あります。
なので、「これは15歳以上」「これは12歳から」「これは7歳から飲める」と言ったように年齢ごとに飲めるものを把握しておきましょう。
濫用の恐れのある成分が入っているものを把握する
風邪薬の中には「プソイドエフェドリン塩酸塩」など
濫用の恐れのある成分が配合されているものもあります。
それらの薬は必ず資格者が確認を取らなないといけません。
そのためには、そもそもどの薬に濫用の恐れのある成分が入っているか
把握しておかなければなりません。
「咳向け」「鼻水向け」などのジャンル分けをする
風邪薬は総合感冒薬という括りなので風邪の症状全般に効果がある物がほとんどですが、
「咳に対する成分が多め」「鼻の症状に対する成分が多め」など少しづつ違った特徴があります。
なので、目薬のときと同様に売り場をゾーン分けしておくと効率が良くなります。
咳止め薬のポイント
濫用の恐れのある成分が配合されているものを把握する
咳止め薬には「コデイン」や「プソイドエフェドリン」が配合されているものが多々あります。
これらは資格者による確認が必要な物ですので、
まずはこれらの成分が配合されているか否か把握しましょう。
高血圧症、糖尿病等の疾患がある人が禁忌になっていない物を把握する
咳止め薬でもコデインやプソイドエフェドリンの含有の有無によって、
禁忌の人が異なったり対象年齢が異なったりします。
そのため、禁忌にあたる人が咳止め薬を求めてきたときに代替品となる商品も合わせて確認しておきましょう。
鼻炎薬のポイント
濫用の恐れのある成分が配合されているものを把握する
鼻炎薬にも「プソイドエフェドリン塩酸塩」が配合されているものが多々あります。
何度も書いていますが、資格者による確認が必要な物ですので
まずはこれらの成分が配合されているか否か把握しましょう。
抗ヒスタミン薬の第1世代、第2世代を把握する
鼻炎薬には抗ヒスタミン成分が配合されているものがほとんどです。
抗ヒスタミン成分には第1世代、第2世代という分類があってそれぞれ目的が少し異なります。
そのため、どの鼻炎薬にどの抗ヒスタミン成分が配合されているか確認しておきましょう。
高血圧症、糖尿病等の疾患がある人が禁忌になっていない物を把握する
先程も書いたように鼻炎薬にはプソイドエフェドリン塩酸塩などの強力なアドレナリン作動成分が配合されていることが多いです。
それによって高血圧症や糖尿病等の疾患がある人は服用禁忌になっている物も多いです。
しかし、売り場にいると降圧剤を飲んでるんだけどそれでも大丈夫な鼻炎薬ありますか?と聞かれることもあります。
そのため、高血圧症等の疾患がある人が禁忌になっていない物を把握する必要があります。
胃腸薬のポイント
「制酸薬」「消化薬」「総合胃腸薬」等の分類をする
胃腸薬と一言に言ってもいろいろと目的によって選択するべきものが変わります。
まずは目薬や風邪薬の時と同様にゾーン分けをしましょう。
「ここは制酸薬ゾーン」「ここは総合胃腸薬ゾーン」といったように売り場のゾーン分けをするといいと思います。
抗コリン成分が入っているか否かを把握する
胃腸薬には痛み止め作用を期待してロートエキス等の抗コリン成分が配合されているものが多いです。
抗コリン成分は眼圧上昇等を引き起こすため緑内障の人などは禁忌になっていたりします。
そのため、胃腸薬においては「ロートエキスが入っているか否か」を把握しておくことは非常に大切なポイントです。
皮膚薬のポイント
どの部位に向けて作られているものかジャンル分けする
皮膚薬、外用薬は非常に種類が多くて苦戦するポイントです。
まずは、「顔にも使えるのか?」「デリケートゾーン向けなのか?」「水虫用なのか?」など体のどの部位に対しての薬なのかを自分の中でジャンル分けしておきましょう。
ジャンル分けを行った上でそれぞれの薬の特徴を把握していきましょう。
どの症状に向けて作られているものかジャンル分けする
次に把握することは「どの症状に向けて作られているものかジャンル分けする」ということです。
例えば「湿疹に対する薬」「ニキビに対する薬」「水虫に対する薬」といったようなジャンル分けです。
この「症状に対するジャンル分け」と「部位に対するジャンル分け」をしておくとだいぶ頭の中が整理されると思います
ステロイドが入っているのか把握する
皮膚薬にはステロイドが配合されているものが多々あります。
ステロイドは効き目が非常にいいのですが、適応外の症状もあります(化膿が酷いなど)。
なので、どれにステロイドが配合されていてどれに配合されていないのかを把握しておくことは非常に大切なポイントです。
まとめ
今回は新人登録販売者にとって最初の壁である「商品を把握する」という事に対して、
こんな風に整理するといいよというポイントを書いてきました。
本当に売り場にはたくさんの種類の商品が並んでいて、全部を覚えるのは至難の業です。
そこで、少しでも整理して覚えて売り場でアタフタしない様にこの記事が参考になれば幸いです。
新人の頃は覚えることが沢山あって大変ですが、少しずつマスターしていって一人前の信頼される登録販売者になりましょう。