
今回の記事では、登録販売者の方にも是非読んでほしい「薬理学」の超入門書を紹介していきます。
薬理学という分野は登録販売者試験では勉強することのない分野ではあるのですが、現役登録販売者として5年ほど働いている私が実感として、売り場で接客するには薬理学を知っておいたほうがいいと強く思いました。
しかし、薬理学をきちんと学ぼうと思うと、量が膨大だったり、登録販売者にとっては難しい専門用語が多かったり、売り場では扱わない医療用医薬品の難しい話が続いたりと、なかなかハードルが高いものです。
僕自身も、薬理学を学ぼうと思ったけど難しすぎて挫折した経験もあります。
今回紹介する本は、薬理学の入門書として最適です。
難しい専門用語も優しくイラスト付きで解説してくれますし、いわゆる「ガチの薬理学」ほど突っ込んだ話はせず「薬理学とはこういうものです」「この分野の概略はこんな感じです」といった一般の人にもわかりやすいように書いてあります。
以下に当てはまる方にはぜひとも読んでほしい本となっています。
- 薬理学に興味のある方
- 登録販売者試験の勉強だけでは物足りない方
- 薬理学を学んだけど挫折した方
- いまいち薬の作用を理解できない方
- 薬の作用を詳しく知りたい方
登録販売者にも読んでほしい薬理学の入門書
さて、本題に入っていきます。
今回登録販売者の方にも薬理学の入門書として読んでいただきたい本はこちらです。
メディカルサイエンスシリーズの「よくわかる薬理学の基本としくみ」です。
この本は薬理学の入門書として非常におすすめの専門書となっています。
僕自身も薬理学に関する知識の多くはこの本から得ています。
では、この本の特徴を見ていきましょう。
とにかく初学者にやさしい
この本の最大の魅力といってもいいでしょう。とにかく分かりやすいです。
例えば、「薬理学とは?」というものに対して、まずWikipediaには以下の引用文のように書かれています。
薬理学(やくりがく、英: Pharmacology)は生体内外の物質と生体の相互作用を、種々の研究方法により個体、臓器、組織、細胞、分子のレベルを貫いて総合的に研究し、さらに創薬・育薬などの薬物の疾病治療への応用を視野に入れ、薬物治療の基盤を確立する科学であると定義される。薬物と生体の相互作用の結果生じた現象の解析には解剖学、生理学、生化学、分子生物学、遺伝学、機能形態学などの基礎医学の知識が要求される。解析に用いる手法や対象により薬理学は様々な分野に細分化される。
Wikipediaより引用 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%96%AC%E7%90%86%E5%AD%A6
こちらは厳密な定義そのものなんですが、初めて学ぶ人にとってはいまいちピンとこないものです。
一方、今回紹介する本には以下のように書かれています。
これだけ科学が発達した現代でも、からだのしくみのすべてが解明されているわけではありません。ですから、あるくすりを実験動物に投与したときに、予期しない反応が現れることがときどきあります。なぜその反応がおこったのか、くすりを使いながら探求してゆくと、今まで隠されていたからだのしくみが明らかになったりするのです。薬理学とは、このような研究手法でからだのしくみを探求し、さらにはくすりの作用を解明しようとする学問です。つまり薬理学とは、実は薬の学問ではなく、ヒトのからだのしくみを探求する学問なのです。
図解入門よくわかる薬理学の基本としくみ (メディカルサイエンスシリーズ) 當瀬規嗣 より引用
ここまで嚙み砕いてくれている専門書はなかなか無いです!
このように、できるだけ難しい言葉を使わないで薬理学を初めての人にもわかりやすく解説してくれています。
逆に言うと、ガッツリ薬理学を学んでいくにはこの本だけでは足りません。
あくまでも入門書としてこの本を使って、さらに興味があればより専門的な本に挑戦するといいと思います。
図解が豊富にある
初学者に優しいポイントとして、文章だけでなく図解も豊富であるという事です。
著作権の関係でそのイラストをここに乗せることはできないのですが、いい感じでユルいでも頭にはスッと入ってくるイラストや図が豊富に載っているので非常に理解しやすいです。
先ほどのの引用文にも書いてあたように、薬理学はくすりのしくみを学ぶと同時に、体の仕組みも学んでいきます。
その時に、体の器官を文字だけで理解していくのはなかなか難しいものです。
そこで、この本の噛み砕いたわかりやすい説明とイラストで専門的な知識が無くても学んでいくことができます。
登録販売者試験では学ばない薬の作用が学べる
登録販売者の皆さん、以下の質問に答えられますか?
「ステロイド剤を使用すると免疫機能が落ちるのはなぜ?」
「腹痛ってそもそも何?」
「ステロイドとNSAIDsの違いは?」
例えば、ステロイド剤については登録販売者試験作成の手引きでは「抗炎症作用がある」「免疫機能を低下させる」「化膿している部分への使用はさける」ぐらいしか書いてありません。
でもみなさん「なんでそうなの?」と思いませんか?
抗炎症作用がある成分はほかにもありますが、「免疫機能の低下させる」と記述があるのはステロイド剤だけです。なぜなのでしょう?
その答えはこの本を読めばすぐに理解することができます。
このように、登録販売者試験では学ばない薬の作用のもう少し突っ込んだところまで勉強することができます。
そのような知識は売り場でも非常に役に立ちます。僕自身もこの本から学んだことに非常に助けられています。
ワンランク上の登録販売者を目指してほしい
今回の記事では登録販売者の方にも読んでほしい薬理学の入門書を紹介してきました。
登録販売者試験には合格したけれど、売り場でお客さんに聞かれたことに答えられない、薬理学に興味があるけど難しくて挫折した、薬の作用を詳しく知りたい方、そんな人には非常におすすめです。
実務になると登録販売者試験の知識だけではなかなかカバーできないこともたくさんあります。
まずは入門書として薬理学の知識を概略だけでも学んでみることをお勧めします。