まもなく登録販売者試験が開催されます。
一生懸命勉強して、登録販売者試験合格を目指している皆さん、ラストスパートです。
最後まであきらめずに頑張っていきましょう!
また、登録販売者試験に合格し、研修中の皆さん、日々の業務お疲れ様です。
覚えることが多くて大変だとは思いますが、少しでもこのブログが役に立てば幸いです。
さて、今回は現役登録販売者五年目(2021年現在)の僕が、登録販売者になりたての新人の頃に悩んでいたこと、実践していた勉強方法などを共有していきます。
登録販売者新人時代に悩んでいたこと
まずは、登録販売者になりたての新人の頃に僕が悩んでいたことを書いていきます。
共感していただける方も多いかなと思います。
解決方法や勉強方法は後の章で記述します。
どの薬にどの成分が入っているかわからない
例えば、風邪薬売り場だけをとっても10種類以上の風邪薬が売り場に並んでいます。
登録販売者では、「発熱には解熱鎮痛剤」「胃に優しいのはアセトアミノフェン」「鼻水には抗コリン成分、抗ヒスタミン成分」などと成分名とその効能だけをひたすら勉強します。
しかし、売り場で必要な知識としては
「Aにはイブプロフェンが最大量入っている」
「Bにはイブプロフェンとアセトアミノフェンが入っている」
「Cにはトラネキサム酸が入っている」
など、商品ごとの特徴を把握しなければなりません。
登録販売者になりたての新人の頃はこの商品ごとの特徴が全然わからないため
「この人には抗ヒスタミン成分や抗コリン成分が入っているものがいいなあ」
という判断がついても、その条件を満たす商品がどれなのかわからず、お客さんの目の前であれこれ商品を手に取って裏の成分表とひたすらにらめっこをする日々が続きました。
聞き取りが上手くできない
医薬品を勧めるためには、まずはお客さんが何に悩んでいて、それをどうしたいのかを聞き取らなくてはなりません。
さらには、年齢・体調・ほかに飲んでいる薬・アレルギーの有無・以前に服用したことがあるか
など様々なことを確認しなくてはなりません。
このことは登録販売者試験でも勉強していて、重要な事であることは十分にわかっているのですが、実際にはなかなかうまくいきません。
というのも、試験問題や練習問題では
「正しい答えが導き出せるように理想的な会話や聞き取り結果が載っている」
という事があります。
しかし、現実には様々な人が相談にやってきます。
全員が全員教科書通りの理想的な会話ができるはずがありません。
さらには、教科書の会話にはないようなイレギュラーな質問や状況が起こったりします。
これらに正しく対処することが非常に大変でした。
イレギュラーな案件に対処できない
登録販売者試験を通して代表的な・典型的な症状とその対処方法は学んでいます。
しかし、現実には教科書通りの症例がほとんど来ません。
人によって要求は様々でそれらに対処するのが非常に大変でした。
僕が困った案件としては
「鼻の中が切れて痛いんだど塗り薬ありますか?」
「顔にイボみたいなやつあるんだけどいい薬あります?」
「精製水って飲んでもいいの?」
「火傷したんだけどどうしたらいい?(その箇所がなぜか血だらけになっている・・・)」
こんな案件はどの教科書や参考書にも載っていません。
正直わからなさ過ぎて泣きたくなったのを覚えています。
自分の判断が正しいのか分からない
ここからは精神的なものになってきますが、まず悩まされたのが
「自分のこの判断で本当にいいのだろうか?」
という事です。
これはお店によって方針は違うかもしれんが、研修期間中は必ず先輩に最終判断を仰いでから販売することが多きと思います。
しかし、人によっては研修期間が早く外れてしまうこともあるでしょう。
というのも登録販売者研修期間は一般従事者の期間も含まれているからです。
僕もそうだったのですが、登録販売者そして働き始めてからは半年程度で研修期間が終わってしまいました。
まだまだ、自分に自信が持てないまま研修期間が終わってしまい色々と不安なまま売り場にいました。
今も完全に不安が解消されたわけではありませんが、新人のことはかなり不安でした。
とにかく漠然と不安
最後はすごくざっくりとしてますが、毎日毎日とにかく不安でした!
「特別これが不安」というわけではなく、漠然とあらゆることが不安でした
「質問にちゃんと答えらえるのか?」
「分からない案件が来たらどうしよう?」
「特に自信ない分野の相談来たらどうしよう?」
「使えない登録販売者って思われたらどうしよう?」
書き出せばキリがないですが、とにかく未知のもの・分からないものに対してとにかく不安で不安で仕方なかったです。
登録販売者新人時代に実践していた勉強方法
ここからは登録販売者新人時代に僕が実践していた勉強方法について共有していきます。
先ほどの章に書いた悩みに共感していただけた方には参考になるかと思います。
品出し・前出しの時間にパッケージ裏を見る
まずはとにかく商品について知っておかなければ話は進みません。
なので、品出しだったり前出しの時間の時に商品を手に取って、パッケージ裏の成分表を見て「この商品にはこの成分が入っている」というのを確認しました。
ここで、僕がやっていた細かなポイントも解説します。
一気に全部覚えようとしない
一度に売り場にある全部の商品を覚えようとしても頭の容量がパンクしてしまいます。
なので、まずは「今日は風邪薬」みたいにジャンルを絞って少しずつ覚えていくといいと思います。
もっと言うと、「風邪薬」というジャンルからさらに絞って「のどの痛みに効きやすい風邪薬」みたいにすると、より競合商品の違いなどを把握しやすいです。
その商品の「1番の特徴」をおさえる
次にはその商品のアイデンティティともいえる「1番の特徴をおさえる」という事をしました。
例えば「イブプロフェンが最大量入っている」「イブプロフェンとトラネキサム酸が入っている」「ビタミン成分がたくさん入っている」といった特徴を確認します。
ここでのポイントは「パッケージの謳い文句ではなく成分表から判断する」という事です。
ぱっと見違う薬に見えても中身は同じだったり「のどの~」と書いてあるのに実は「寒気」などの方が聞きそうなものもあったりします。
なので、必ず成分表を見て特徴を掴みましょう。
気付いたことはノートにまとめる
やはりまとめノートは作ったほうがいいと思います。
手を動かすことで定着率も上がりますし、何度も見返すことができるからです。
自分が見やすい・覚えやすい方法でまとめノートを作るといいと思います。
専門書を読んで勉強する
登録販売者新人は疑問に思うことや分からないことが沢山あります。
その答えを見つけるのに最もポピュラーな方法ですが、専門書できちんと勉強するという事は大事な作業です。
おすすめの専門書については、ここで書くと長くなりますので、こちらの記事に詳しく書いてあります。
先輩へ質問しまくる
手っ取り早く疑問を解決するには、同じ売り場で働く先輩や薬剤師さんに聞くのがいいでしょう。
僕の場合は、自分で判断できなかった案件で先輩に引き継いだ時は後で必ず、「最終的に何を売ったのか?」「その理由は何か?」というのを細かく聞き手ました。
幸いにも先輩は嫌な顔1つせずに丁寧にたくさん教えてくれました。
そこで、自分には何が足りなかったのかが分かってきます。
聞き取りが甘かったのか?商品に対する知識が足りなかったのか?症状に対する理解が足りなかったのか?
頼れる先輩がいるのなら積極的に質問しましょう。
薬理学や病理学などを勉強する
登録販売者として働いていて、気がついてことがあって、それは
「そもそもその病気はどんな病気なのか?」
「AとBの薬って何が違うのか?」
といった知識が不足していると思いました。
売場でよく聞かれるのが「○○症なんだけど薬ありますか?」「イブとロキソニンどっちがいいですか?」といったことです。
登録販売者試験では、「○○症とはこういう病気です。こうやって治療します」といったことは勉強しません。
また、「解熱鎮痛剤にはイブプロフェンやロキソプロフェンなどがあります」という事は勉強しますが、これらの違い・使い分けについては勉強しません。
これらは病理学・薬理学・生理学といったことを勉強していかなかればなりません。
薬剤師が薬学部で6年間学ぶことを全部把握する必要はありませんが、ある程度の知識は入れておいたほうがいいと個人的には感じました。
場数を多く踏む
登録販売者新人時代はとにかく売り場に立つのが怖いのですが、とにかく場数をたくさん踏んで経験や成功体験を積むことが大事です。
売り場に立って接客して初めてわかることもたくさんあります。
そして、自分に何が足りないのかが明確にわかるようになります。
場数をたくさん踏むことで聞き取りもだんだん要領よくできるようになってきますし、商品に対する知識も増えていきます。
そして何よりお客さんから「ありがとう」といわれることが多くなってきて自信にもつながります。
最初は先輩などに助けてもらいながら、なるべく多く売り場に立つようにしましょう。
まとめ
今回は僕が登録販売者新人時代に悩んでいたこと、そしてそれを解決するための勉強方法やマインドついてまとめてきました。
登録販売者になりたての新人の頃は誰でも不安なものです。
ここに書いたことなどを参考に、上手に先輩に助けてもらいながら一人前の登録販売者を目指して頑張っていきましょう!