【リアルな話】登録販売者と薬剤師の違いを現場目線で語る

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実務関係
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ドラッグストア勤務5年の現役の登録販売者。
独学で登録販売者の勉強をして112点を取りました。
登録販売者以外に「薬学検定1級」「サプリメントマイスター」の資格を所有してます。

実務で経験したことを基に新人時代にやるべき勉強法や売り場に立っても困らない登録販売者試験の勉強法、さらには追加で勉強すべき専門分野や専門書、サプリメントのことも出来るだけわかりやすく発信します。

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「登録販売者」と「薬剤師」

共に医薬品を扱う資格ですが、いったいどんな違いがあるのでしょう。


私が登録販売者として売り場で働いていて思ったことを共有していきたいと思います。



登録販売者と薬剤師の違いは?

登録販売者と薬剤師はどう違うのでしょうか?



先に結論から言うと、登録販売者は薬剤師の下位互換です。


そもそも、登録販売者という資格は、全国で薬剤師不足が懸念され、その時に

薬学部を卒業していない人でも薬剤師に準ずる資格を持てるようにしよう

という考えの元作られた資格だからです。



では、登録販売者は使えない資格なのか?
そんなことはありません。


具体的に登録販売者と薬剤師の違いを見ていきましょう。

登録販売者と薬剤師の受験要件

まずは登録販売者と薬剤師の資格を取得するための受験資格を見ていきましょう。



登録販売者試験に学歴・実務経験などの受験要件はありません

誰でも受験することができます。

以前は実務経験などが必要とされていましたが、現在はその条件は廃止されました。



対して薬剤師の国家試験には以下のような受験資格が定められています。

受験資格

次のいずれかに該当する者

  1. (1)薬剤師法第15条第1号の規定に基づく受験資格
     学校教育法(昭和22年法律第26号)に基づく大学において、薬学の正規の課程(学校教育法第87条第2項に規定するものに限る。)(以下「6年制薬学課程」という。)を修めて卒業した者(令和3年3月18日(木曜日)までに卒業する見込みの者を含む。)
  2. (2)薬剤師法第15条第2号の規定に基づく受験資格
     外国の薬学校を卒業し、又は外国の薬剤師免許を受けた者で、平成24年4月1日以降に、厚生労働大臣が(1)に掲げる者と同等以上の学力及び技能を有すると認定した者
  3. (3)薬剤師法の一部を改正する法律(平成16年法律第134号。以下「改正法」という。)附則第2条及び第3条の規定に基づく受験資格
    •  改正法の施行日(平成18年4月1日。以下「施行日」という。)において、改正法による改正前の薬剤師法(以下「旧薬剤師法」という。)第15条第1号に該当する者
    •  施行日において、旧薬剤師法第15条第2号に該当する者
    •  施行日前に学校教育法に基づく大学(短期大学を除く。以下同じ。)に在学し、施行日以後に旧薬剤師法第15条第1号に規定する要件に該当することとなった者(施行日以後に学校教育法に基づく大学に入学し、当該大学において、薬学の正規の課程(学校教育法第87条第2項に規定するものを除く。)(以下「4年制薬学課程」という。)を修めて卒業した者を除く。)
    •  平成18年度から平成29年度までの間に学校教育法に基づく大学に入学し、4年制薬学課程を修めて卒業し、かつ、学校教育法に基づく大学院(以下「大学院」という。)において薬学の修士又は博士の課程を修了した者であって、厚生労働大臣が、薬剤師法の一部を改正する法律附則第3条の規定に基づく厚生労働大臣の認定に関する省令(平成16年厚生労働省令第173号)第1条の規定に基づき、改正法による改正後の薬剤師法(以下「新薬剤師法」という。)第15条第1号に掲げる者と同等以上の学力及び技能を有すると認定した者

厚生労働省HPより引用  https://www.mhlw.go.jp/kouseiroudoushou/shikaku_shiken/yakuzaishi/ 


簡単に言うと、6年制の薬学部を卒業しなければ薬剤師国家試験を受験できません。




登録販売者試験は誰でも受験できるが、薬剤師国家試験は

薬学部を卒業する必要がある



取り扱える医薬品の範囲

登録販売者と薬剤師では取り扱いができる医薬品の範囲が違います。



登録販売者が取り扱える医薬品の範囲は、第三類医薬品・第二類医薬品までです。



薬剤師はこれに加えて、第一類医薬品・要指導医薬品・毒物劇物・そして医療用医薬品

を扱うことができます。


売り場で考えると、登録販売者は飲み薬の「ロキソニン」や「ガスター10」

等は販売することができません。



第一類医薬品や要指導医薬品は鍵のかかったケースに保管され、そのカギの管理は

薬剤師が行います。



登録販売者と薬剤師では扱える医薬品の範囲が違う



薬剤師は調剤業務ができる



登録販売者と薬剤師の大きな違いの一つとして、

登録販売者は調剤業務ができません。


調剤業務とは、薬局で医師から出された処方箋を基に

薬を調合する業務です。



この業務は薬剤師のみが行うことができ、登録販売者は

調剤業務ができません。

調剤薬局が併設されているようなドラッグストアでは

登録販売者は調剤室に入って調剤をすることはできません。



調剤業務は薬剤師のみが行うことができる



登録販売者と薬剤師の違いのまとめ

具体的な書類上の登録販売者と薬剤師の違いを見てきました。


  • 登録販売者試験は誰でも受験できるが、薬剤師国家資格は6年制薬学部を卒業しなければならない
  • 登録販売者をと薬剤師では扱える医薬品の範囲が違う
  • 調剤業務は薬剤師のみが行える



こうやってみると、冒頭で言ったように登録販売者は薬剤師の下位互換資格です。


しかし、薬剤師の資格を今からとるには、大学受験をし直して6年間薬学部に

通う必要があります。


登録販売者試験は、学歴関係なく受験することができるため、

薬剤師と比べれば取得しやすいものとなります。

登録販売者の活躍場所

登録販売者の需要はどんどん広がってきています。

最近では、ドラッグストアだけでなく、家電量販店・ホームセンター・スーパー・コンビニ等

でも登録販売者の募集をしている所があります。


また、リアルな話、薬剤師は人件費が多くかかるので、医薬品販売をメインとしていないところでは

登録販売者の募集を多くしている所もあります。



登録販売者が薬剤師に近づくためには?

登録販売者は薬剤師と比べて使い物にならない資格なのでしょうか?



そんなことはありません。

もちろん、いくら勉強しても第一類医薬品を扱えるようになったり、

調剤業務ができるようになったりはしません。


しかし、お客さんにとっては、登録販売者も薬剤師も同じ薬のプロです。

そして、登録販売者試験の勉強だけでなく、プラスアルファのこともしっかり勉強して、

扱える医薬品に関しては、しっかりとした知識をもって接客をすることができます。


では、具体的にどんな勉強をする必要があるのか?

売り場にいて感じたことをまとめます。



人体のことを深く勉強する

登録販売者試験で言うところの第二章に当たる部分です。

まずは、通常状態で人間の体がどうなっているのか?
それを理解することで、病気の状態ではどう違うのかを理解できます。



まずは、第二章に当たる部分をしっかり勉強しましょう。



病理学・生理学を勉強する

人体の通常状態を勉強したら、次には具体的な病気の状態を勉強しましょう。


病気の状態を知ることで、どのように対処すべきなのかが見えてきます。

すべての病気を理解する必要はありませんが、よく聞かれる症状については

学んでおいたほうがいいともいます。


同じような症状でも、原因は様々ですので、決めつけで症状を判断しない様に

しっかり勉強しておきましょう。











薬理学を勉強する

もちろん、薬そのものの理解を深める必要があります。



同じ分類の薬でも、人体への作用の仕方が違うものも多数あります。

薬理学を勉強することでそういったことも勉強することができます。


薬の使い分け・飲み合わせを理解するには薬理学の知識は必須となります。








代表的な処方薬を勉強する

売り場にいてよく聞かれるのが

「病院でこういう薬もらっているんだけど、似たようなのある?」

といった質問です。



全部の処方薬を勉強する必要はありませんが、代表的なものは把握しておくと

接客の幅が広がりますので、覚えておくといいでしょう。



登録販売者と薬剤師の違いのまとめ

改めて登録販売者と薬剤師の違いをまとめましょう。

  • 登録販売者試験は誰でも受験できるが、薬剤師国家資格は6年制薬学部を卒業しなければならない
  • 登録販売者をと薬剤師では扱える医薬品の範囲が違う
  • 調剤業務は薬剤師のみが行える



そして、登録販売者でもしっかり勉強することで薬剤師に近づくことができます。

ワンランク上の登録販売者を目指してぜひ頑張ってください。